食品添加物が体に悪い理由と危険性

 食品加工において大切なことは食中毒を防ぐことにあります。そのために食品添加物が加えられるようになりました。

 

特に海外からの輸入などで長期保存が必要とされる食品では、防腐剤や防カビ剤などがなければ消費者のもとに届くまでに腐ってしまいます。

 

はじめは食品添加物の使用規制などを設けていた日本は、世界中から食品を輸入するようになり、輸出国の使用する食品添加物を次々と認めてきました。

 

 そして、日本の食品添加物市場は右肩上がりで、いまや1兆円超えなのです。

 

また、食品添加物は食中毒を防ぐという目的以外にも、「ものを腐らなくする、見栄えを良くし食欲を増進させる」という目的でも使われています。

 

拡大し続ける食品添加物市場の中で、私たちは年間 4Kg もの食品添加物を摂取している計算になります。

 

そして、一つの食品に多様な添加物が使われ、それらが体内でおこる化学反応の安全性は、十分に調べられていません

 

 

食中毒という健康リスクを回避するために使われている食品添加物、それ自体が我々の健康を損ねていることはないでしょうか?

 

 

食品添加物における合成と天然

 

食品添加物には、石油製品から化学合成された合成添加物と、植物や動物から特定の成分を抽出した天然添加物があります。

 

特に、合成添加物は自然界に全く存在しない化学合成物質なため、体内で代謝されないまま残留してしまいます。

 

それ自体が体内で作用する場合や、他の物質と反応し、悪影響を及ぼす恐れも懸念されています。

 

 

食品添加物市場の多くを占める人工甘味料

 

 食品添加物の売上高の多くは、人工甘味料や異性化糖などの糖化製品です。

 

清涼飲料水やガム、あめ、チョコレートなどに「カロリーオフ」「カロリーゼロ」「ノンカロリー」という表示がされている製品が多くありますが、これらはカロリーを抑えるために砂糖の代わりに人工甘味料や異性化糖を使い、「甘み」を演出しています。

 

アスパルテームという人工甘味料は、L-フェニルアラニンとアスパラギン酸に劇物のメチルアルコールを結合させたもので、砂糖の約200倍もの甘さを持ちます。

 

劇物であるメチルアルコールは体内で分離され、多量に摂取すると最悪の場合死に至る危険性もあります。

 

また、フェニルケトン尿症の患者さんが摂取すると、L-フェニルアラニンをうまく代謝できないため、脳に障害がおこる恐れもあります。

 

 

スクラロースという人工甘味料は、砂糖の水酸基を塩素に置き換えた有機塩素化合物で、砂糖の約600倍もの甘さを持ちます。この化合物は、138℃以上になると有毒ガス「塩素」を発生します。

 

また、スクラロースは体内で分解されないため、そのまま吸収され、脳にまで入り込むこともあります。

 

最終的に、肝臓を経由し腎臓に達します。そのため、多量に摂取すると肝機能や腎機能などに影響が出る恐れもあります。

 

 

果糖ブドウ糖液糖(異性化糖)は、果糖とブドウ糖を主成分とする糖で、遺伝子組み換えトウモロコシでんぷん由来の液状糖です。

 

果糖ブドウ糖液糖は果糖とブドウ糖が結合していないため、消化酵素が必要なく、摂取するとすぐに吸収されて血糖値が上がります。

 

多量摂取や長期間摂取するとことで、糖代謝機能が低下する恐れがあります。

 

 

「健康商品」をうたうためにカロリーを減らしているとしたら、砂糖の何百倍もの甘みを人工化合物で補うことは、果たして「健康」というカテゴリーに入るのでしょうか

 

 

 

 

 

 最近、天然甘味料であるメープルシロップ・メープルシュガーから、ショ糖の吸収を抑制するオリゴ糖が発見されました。

 

今後は、天然物で甘みをもち、血糖値の急上昇を防ぐスイーツなどの開発が期待されています。

 

人工甘味料についてさらに詳しくはこちらの記事で書いています。

▶ 「人工甘味料が体に悪いと言われる理由

 

 

保存料として使われる添加物

 

食品を日持ちさせるために用いられる保存料は、ソルビン酸カルシウムが多用されています。

 

ソルビン酸類には、遺伝子を傷つける作用があることがわかっていますが、ソルビン酸単体の危険性に加え、他の添加物との複合摂取による影響が懸念されています。

 

特に、ウィンナーやハムでのボツリヌス菌の増殖を抑えるために使われている亜硝酸塩(発色剤としても使われる)とともに摂取すると、体内でニトロソアミンという発ガン性物質に変わります。

 

また、栄養ドリンクなどの保存料に使われる安息香酸ナトリウムには、ビタミンCと反応し、白血病の原因物質であるベンゼンに変化します。

 

日持ちしないことは、質の良い製品の証です。保存料無添加のものを皆が求めることで無添加の市場が広がります。

 

長距離輸送に頼らなくなることで、地元の農家さんたちの需要が高まり、地域活性化にも繋がると思います。

 

 

防腐剤と酸化防止剤として使われる添加物

 

チーズやパンなどに多く使われている防腐剤は、プロピオン酸という物質です。

 

プロピオン酸は、腸内細菌が産生する短鎖脂肪酸の一種でもあります。

 

米国で行われたコホート研究でも、保存料として使用されているプロピオン酸の摂取によりインスリン抵抗性が高まり、血糖値が上がりやすくなり、プロピオン酸を含む食品の摂取を制限することでそれが改善されることも報告されています。

 

そのため、体内でプロピオン酸が増えすぎると、2型糖尿病を発症する恐れがあります。

 

酸化防止剤は、一般的にはビタミンCが用いられていますが、ペットフードなどにはブチルヒドロキシトルエン(BHT)や、ブチルヒドロキシアンニソール(BHA)といった化合物が使用されていることが多く、その安全性が疑われています。

 

さらに、ワインなどに用いられる酸化防止剤、亜硫酸塩二酸化硫黄が一般的に用いられています。

 

二酸化硫黄は、火山ガスや工場排煙などにも含まれる有毒ガスです。ワインを飲んで頭痛がする、などという人は二酸化硫黄にからだが過敏に反応しているのでしょう。

 

気になる方には無添加のワインをおすすめします。

 

また、二酸化硫黄は酸化防止剤だけでなく、ドライフルーツや甘納豆、干しあんずなどの漂白剤としても使用されています。

 

 

その他の添加物

 

カビキラーやハイターなどの殺菌剤の成分である次亜塩素酸ナトリウムは、ヒト推定致死量が茶さじ1杯といわれているほど、急性毒性の強い化学物質です。

 

掃除の際に多量に使用することで、人やペットが吸い込んでしまう恐れもあります。

 

できるだけ、天然の殺菌剤(ヒノキなど)やカビ取り剤(乳酸、重曹など)を使うことをおすすめします。

 

食品では、回転寿しやキスの天ぷら、居酒屋の肴などに消毒として使われていることが多いです。消毒薬の匂いがするものはあまり食べない方が良いでしょう。

 

さらに、名を隠し存在する添加物もあります。

 

特にリン酸塩は、PH調製剤、酸味料、乳化剤、膨張剤、かんすい、イーストフードなどと名を隠し、幅広く使われています。

 

リン酸塩は、体外に排出される際に、体内のカルシウムや亜鉛などのミネラルと結合した状態で排出されます。

 

リン酸塩を多くとりすぎることで体に必要なミネラルを失い、骨が弱くなったり貧血になる恐れもあります。

 

 

SAKULABO 公式Twitterアカウント健康オタク♀」では、身近な製品の表に書かれているキャッチコピーと、裏面の成分表示を見比べ、

表に書いてある「良いこと」の裏側の「健康リスク」を紹介する「逆商品紹介」をしています。

 

例えば、こちらの「ウィダーインゼリー」、小腹満たし以外にも、「体調を崩した時の栄養補給」「栄養のバランスが気になる方」に摂取を進めていますが、本当に体調が悪い人は、これで栄養補給ができるのでしょうか?

成分一覧を見てみますと、一番多く入っているのが炭水化物、つまり「糖質」ですね。

ではどんな糖が入っているかを原材料名で確認してみると、「果糖ぶどう糖液糖」です。

それ以外にも、香料、乳化剤、甘味料と、添加物が多く入っています。

 

 

 

 

添加物の影響を減らすためには声をあげよう

私たちは栄養をとるために食べ物を摂取します。

 

食品添加物市場が拡大し、必要以上に化学物質を体内に入れることは、栄養の吸収を妨げているようにも思えます。

 

一度、自分が普段食べている食品の成分表示を確認してみて下さい。

 

どれほどの添加物が入っているかを知ることで、添加物への見方が変わるかもしれません。

 

 

コンビニやスーパーで手軽に安く手に入る食べ物は、多くの食品添加物が使われていますが、添加物を避け、無添加の商品を扱っているお店もたくさんあります。

 

みんなが無添加のものを求めるようになれば、市場は大きくなり身近なものになっていくでしょう。

 

 

 

 

参考文献

Sanna S, et al . Causal relationships among the gut microbiome, short-chain fatty acids and metabolic diseases. Nat Genet. 2019 Apr;51(4):600-605.

・Kanta S, et al. Identification of a Novel Oligosaccharide in Maple Syrup as a Potential Alternative Saccharide for Diabetes Mellitus Patients. Int J Mol Sci. 2019 Oct; 20(20): 5041.

・合同出版「食べ物が劣化する日本

・entreX出版「あなたの生活を守る 危ない商品の見分け方」

・SBクリエイティブ「知っておきたい有害物質の疑問100

・幻冬舎「体を壊す10大食品添加物