ここ10年の間、日本でもリーキーガットという言葉が広まっている気がします。
以前は、日本でも欧米でもリーキーガットという概念はあまり信じられていませんでしたが、近年ではリーキーガットという病態が解明され始めています。
当サイト SAKULABO でも、ほとんどの記事にリーキーガットという言葉を用いています。
そのため、リーキーガットとは何かを学んでいただきたくこちらの記事を作成しました。
こちらの記事をお読みいただければ、他の記事の内容も頭に入りやすくなるかと思いますので、ぜひご活用ください。
リーキーガットは英語で Leaky Gut と表され、日本語に直訳すると「漏れやすい腸」になります。
では、「漏れやすい」とは一体どういうことなのか。
それは、腸(特に小腸)のはたらきを知ることで分かります。
小腸は、私たちの体の中で「消化吸収」に特化した器官です。
私たちが食べたものは、ある程度胃の中で消化され、小腸でもっとしっかり消化されます(下図)。
小腸の壁は、分解途中(未消化)のものが血液中に流れ込まないように、血管への入り口が非常に狭くなっています(下図)。
そのため、しっかり消化された栄養のみが通過を許され(これを吸収という)、血液中に移動し全身に運ばれるようになっています。
上述した通り、小腸の壁は未消化のものが血液中に流れ込まないように、血管への入り口が非常に狭くなっています。これが正常な吸収です。
しかし、何らかの原因で小腸の壁を作っている細胞が破壊されてしまうと、小腸から血管へ栄養が通過する入り口が広くなってしまいます。
そうなってしまうと、本来しっかり消化された栄養のみが通れるはずが、分解途中(未消化)のものや腸内常在菌など大きなものまで通れるようになってしまうのです。
つまりこれは「吸収」ではなく、腸内容物が血液へ「漏れ出ている」状態です。
この状態をリーキーガットと言うのです(下図)。
ではリーキーガットになると私たちの体はどうなってしまうのでしょうか?
リーキーガットがもたらす一番大きな害は「慢性的な炎症」です。
「炎症」とか「免疫」とかの言葉がまずよく分からないという方、以下のイメージだけ覚えていただければ大丈夫です。
免疫
体に記録されていない「外敵」が体内に入ってきた際に外敵を攻撃し排除しようとするシステム
外敵は例えば細菌やウイルス、未消化の食べ物などです。
このシステムにバグが発生すると、記録されているものや自分の体の一部も攻撃対象に入ってしまいます。
(自己免疫疾患、アレルギーなど)
炎症
免疫というシステムが稼働した際に、免疫細胞が「外敵」と認定したものを攻撃することです。
炎症の代償として私たちの体の一部も傷つきます。
ここで、免疫細胞が「外敵」を攻撃する際に使う武器や、援助要請などをする連絡器が「サイトカイン」という物質です。
慢性炎症
外敵を追い出すことに時間がかかり、免疫細胞が残業をしている状態です。
炎症が一時的なものであれば炎症による被害も少なくなりますが、リーキーガットの様に常に血液中に細菌や未消化の食べ物が流れ込んでくる場合、炎症はなかなか鎮まりません。
そして、慢性的に炎症がおきることで炎症をおこす部位はどんどん広がり、体の末端や脳にまでいきわたります。
慢性炎症によりどのような症状が出るかは人によりますが、例えば膵臓が炎症の被害を受けると糖尿病になるリスクが上りますし、脳で炎症が広がるとうつ病や不安症などのリスクが上ります。
植物・穀物に含まれる植物毒「レクチン」は、小腸の壁を作る細胞(栄養吸収細胞)にくっつき、血管への入り口を広げてしまう作用があります(下図)。
小麦に含まれる「グルテン」もレクチンの一種です。
▼ こちらの動画でも、「リーキーガットの原因はレクチン」という説明をしていますのでご参照ください。
リーキーガットを改善していくために、私たち体質研究所では「ディフェンシブフード」を提唱しています。
ディフェンシブフードとは、レクチンフリー・低ガス発生・低硝酸態窒素の三要素を合わせ持つ胃腸にやさしい食事です。
ディフェンシブフードにおいて、どういう食べ物にレクチンが多く、何を食べればよいかはこちらが、まさに実践的ガイドブックになっております。
また、ディフェンシブフードを使ってどういう料理を作ればよいのか、外食では何に気を付ければよいか、
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