炭は昔から私たちの健康・環境に良い影響を与えてくれている。
しかし私たちは最近、「炭」の素晴らしさを忘れていないだろうか。
炭は調理や消臭、防腐などの目的で私たちと日常を共にしていますが、例えばトイレに消臭剤を置きたいと考えた人は「炭」を選択するでしょうか?
多くの人はテレビCMでおなじみの消臭剤などを買うと思います。
科学技術が発展し「化学物質」が溢れている今に、自然の恩恵「炭」の素晴らしさをもう一度思い出してみませんか。
炭の効果がどれくらい前から知られていたかは定かではありませんが、「木炭」は30万年前から存在し、少なくとも2000年以上前から人々は「炭」を防腐用として使っていました。
木材を炭に焼く「炭焼き」技術は、中国文明やヨーロッパ文明、中東文明などの世界各地で発展してきました。
日本では、平安時代に中国で行われていた炭焼きの技術を弘法大師が日本に持ち帰り、仏教の布教とともに日本全国に広まったと言われています。
炭は焼き方により炭質が異なり、「白炭」と「黒炭」に分けられます。
白炭は、炭質が硬く火持ちが良いため暖房用や調理用に適しています。備長炭も白炭です。
一方、黒炭の炭質は柔らかく、火付きが良いため金属の製錬や加工に適しています。
農業面では、主に「土壌の改良、害虫駆除、根の発育促進」などの効果が目的で使われています。
炭の表面には細かい穴が無数にあり、通気性も良く、たくさんの微生物が住み着いています。
農業を行う際に、農薬や化学肥料をたくさん使うと土が酸性になり、作物は害虫に弱くなり、さらに多くの農薬を使用するという悪循環が生じます。
そこで、炭を使うと炭が農薬や化学肥料を吸着し、住み着いている微生物たちらそれらを分解してくれるのです。
(炭自体はアルカリ性なので、農業に利用する際は使用量に注意が必要です。)
さらに、炭焼きの際にとれる「木酢液」は、殺菌作用も強く、主成分である木タールが根の発育を促進してくれるので、併用するとさらに良い土壌になります。
健康・生活面では、主に「防腐、防カビ、防虫、消臭、整腸、調理」などの効果が目的で使われています。
白炭には、負の電荷を持つ電子を発生させるはたらきがあります。
生命を含め、地球上では常に電子リッチな環境が求められ、電子が足りていないと人は体調を崩します。
夏場に雷が多いのも、地表に電子が足りていないためなのです。地表で電子が減り、プラスの電荷が増えてしまうと、雲のプラスと反発し合い、雷が発生します。
そして地表に電子を供給するため雨がふるのです。
炭はこの「雨」のように、私たちに電子を供給してくれるのです。
例えば、電子が動くことで発生する電磁場、これは人の体内で細胞が増殖するときに必要なものです。
しかし、がん細胞は電磁場とは無関係に増殖できるため、電子が不足し免疫細胞などが正常に増殖できなければ、増えたがん細胞を撃退することができなくなってしまいます。
地球には、南北にはたらく磁力線と、東西にはたらく電気力線が交わる場所に磁場が発生します。パワースポットなどとよばれるのはこの磁場が発生している地で、電子リッチな場所なのです。
パワースポットは、炭素の力を使って作ることができ、それを炭素埋設といいます。
「炭で焼いた料理はなぜおいしいのか?」
木炭には、2~3% ほどのセラミックが含まれていて、加熱するとそこから「近赤外線」が出ます。近赤外線は、吸収がはやく、素早く熱エネルギーに変化する性質があるため、肉や魚の表面が素早く熱くなり、うまみを逃さないのです。
「炭をいれておくと水が美味しくなる?」
日本の水道水は、世界各国に比べ安全基準が高いため、そのまま飲んでも大丈夫です。
しかし、殺菌のための塩素や、水道管から漏れ出した金属などが混じり、美味しいかと言われると微妙ですよね。
炭は、木が成長するために土から吸い上げたミネラルが濃縮されています。ここには、有害なものは含まれていません。
炭を水に入れておくと、微生物たちが塩素などの物質をイオンに分解してくれます。
さらに、炭の中に濃縮されたミネラルが水に溶けだすので美味しく感じるのかと思います。
水道水に含まれる塩素は、皮膚が弱い人には皮膚炎悪化の要因にもなります。飲み水以外にも、木炭風呂などお風呂にも炭を入れておくと、塩素が分解されるため症状が和らぐと言われています。
「お腹の調子が悪い時は炭を飲むと良い?」
炭は、アンモニアなどの有害ガス、化学物質、細菌などを吸着するはたらきがあります。
日本中毒学会においても、食中毒などの治療で消化管除染を行うのに炭を使うことを推奨しています。
炭は食べても血液中に吸収されることはなく、胃腸に入った病原菌や発生する有毒ガスを吸着し、そのまま便として排泄されるので薬に頼らずお腹の調子を整えたい方には炭がおすすめです。
それ以外にも、炭の吸着性と微生物の分解を利用し、消臭効果を持つ「木炭まくら」などもあります。
環境面では、主に「水質浄化、生ゴミの分解」などの効果が目的で使われています。
生ゴミは、土に埋めると土の中の微生物たちが分解してくれますが、炭を一緒にいれておくと、炭の微生物たちも分解を手伝ってくれるのでスムーズになります。
東京都の多摩川は昔は泥水で悪臭がひどい状態でしたが、炭を敷き詰めることによりとても綺麗に浄化されました。
八王子の生活排水の浄化にも炭が使われるなど、日本各地で炭による水質浄化が行われてきました。
リサイクルの本質は、「自分たちが出したゴミを、最後まで自分たちで面倒を見る」ことにあります。
炭は、木材から炭へ加工する際に70%ほどの炭素を回収でき、炭を焼く場合も炭に水分が含まれないため CO2 が発生しません。
使用後も土壌改良や水質浄化に貢献できるため、ゴミとなる要素がほとんどありません。
炭こそ、リサイクルの本質をとらえた素晴らしい存在なのではないでしょうか。
参考図書
・DHC「炭博士にきく炭の神秘」
・かんき出版「健康の秘訣は電子にあった」
・新日本出版「ニセ科学を見抜くセンス」
・ヒカルランド「宇宙の響きで生きるゼロ磁場発生装置の秘話」