なんだか最近すぐに疲れてしまう、足がむくんでしまう、体温がいつも低いなどの症状がある方、もしかしたらタンパク質が不足しているかもしれません。
「タンパク質?お肉とか食べてるから大丈夫~」
いえいえ、タンパク質を多く含むものを食べているからと言って、タンパク質が十分とは限りません。
栄養の吸収がいまいちでは、いくら食べても摂取できていないのと同じなのです。
タンパク質は私たちの体を元気に保ってくれるのにとても重要な役割をしています。足りなくなると正常な代謝が行われなくなり、体調はどんどん悪くなってしまいます。
「軽く考えていたけど、タンパク質ってそんなに重要なの?」
っと思った方、下記のようにタンパク質はこんなにたくさんの役割があるのです。
タンパク質とは、多数のアミノ酸が結合して構成されていて、アミノ酸の組み合わせにより種類の異なるタンパク質ができあがります。
ヒトの場合、タンパク質は身体の約 20% を占めていて(水分は約 60% )、その役割は多岐にわたります。
□ 筋肉や臓器などを構成する
タンパク質を構成するアミノ酸は 20 種類で、11 種類は体内で合成するとこができますが、残りの 9 種類は「必須アミノ酸」とよばれ、体内で合成できないぶん食品などから摂取する必要があります。
これら 20 種類のアミノ酸の組み合わせにより、筋肉を構成するタンパク質、各臓器をつくるタンパク質、髪の毛や爪をつくるものなど様々な種類に分けられます。
なかでも、筋肉を構成する主なアミノ酸はバリン、ロイシン、イソロイシンの 3種類で、分岐鎖アミノ酸 ( BCAA : Branched Chain Amino Acid )とよばれています。
□ 生理活性物質を構成する
体内の恒常性は、各器官にはたらく生理活性物質(ホルモン)により維持されています。
例えば、体温を調節するホルモンや、血糖値を調節するホルモン、性ホルモンなど多くのホルモンが存在します。タンパク質は、一部のホルモン(ペプチドホルモン)の構成因子でもあり、代謝調節や恒常性維持に役立っています。
□ 酵素としてのタンパク質
タンパク質は、筋肉や臓器、ホルモンなどの構成因子としてだけでなく、「酵素」としてもはたらきます。
酵素は、代謝をスムーズに行うのに欠かせません。
食べ物を食べた際は、口の中や胃の中に存在する消化酵素により、食品を細かい栄養素に分解されます。
アルコールも、アルコール分解酵素により代謝されていきます。
また、摂取した栄養をもとに合成酵素がはたらき、新たに筋肉やホルモンが合成されていきます。
さらに酵素は、他の酵素や生体因子の働きを活性化したり、不活性化したりする働きをもち、生体反応に重要な役割を果たしています。
タンパク質不足の検査では、血液検査により血清アルブミン濃度をみます。
血清アルブミン濃度が 3.5 mg/dl 以下であればタンパク質不足が疑われます。
では、タンパク質が不足しているとき、体にはどのような変化があらわれるのでしょうか。
血清アルブミンは、血液中に100 種類以上あるタンパク質の中で最も多いタンパク質で、血液中の水分を保ち、浸透圧を維持するはたらきがあります。これにより、血液が正常に循環できます。
タンパク質の摂取不足や、タンパク質の吸収障害などにより、血液中のアルブミンが減少すると、血液の水分が血管外にもれ出て、むくみが生じます。一方、血液は水分が不足してドロドロの状態になります。
また、血清アルブミンは、様々な物質と結びつく作用が強いため、カルシウムやマグネシウムなどのミネラルや、脂肪酸、酵素、ホルモンなどといった身体機能を正常に保つ物質も、アルブミンにより身体の隅々まで送り届けられます。
したがって、血清アルブミンが減少すると、代謝に必要な酵素や、ホルモンが不足し、体温を高く保てなかったり、疲れやすくなったりと、多くの不調がもたらされます。
タンパク質は、水分を除き、私たちの体の大半を占めている物質です。
それは、臓器や筋肉を構成するだけでなく、ホルモンや酵素としての役割もあるのです。
そのため、タンパク質が不足してしまうと、代謝が落ちてむくみやだるさなどの症状が出てきます。
タンパク質不足を解消するには、体にタンパク質を栄養として吸収してもらう必要があります。
単にタンパク質が足りていなくて、一時的に症状が出ている場合は、動物性タンパク質を含む食べ物で解消されますが、
慢性的にタンパク質が足りていない場合、栄養を吸収する最大の器官「腸」を元気にする必要があります。
解消法のページでは、具体的にどのような食事をし改善していけばよいかを解説していきます。
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